精密制御用サイクロ減速機Fシリーズ

住友重機械工業(株)の精密制御用サイクロ減速機Fシリーズカタログ
  • "6サイクロ減速機は原理的には次の2つの機構から成立っています。☆トロコイド系曲線歯形を持つ1枚、もしくは2枚歯数差の内接式遊星歯車機構☆円弧歯形を持つ等速度内歯車機構ω2ω1ω2ω1遊星歯車(歯数P) 固定太陽内歯車(歯数S) クランク 遊星歯車(歯数P) 固定太陽内歯車(歯数S) 内ピン 遊星歯車(曲線板) 外ピン 内ピン(内ローラ付) 曲線板 偏心体 -e(偏心量) クランクシャフト OpOse2e図A-2のような内接式遊星歯車装置において、角速度ω1、ω2の関係は遊星歯車理論により次式で表されます。ω2/ω1 = 1―S/P = ―(S―P)/PここでS―P=1(歯数差1)とすればω2/ω1 = ―1/Pとなり、回転方向が逆向きで最大の減速比が得られますが、一般のインボリュート歯形では歯先の干渉を生じるために、この機構を1枚歯数差で有効に利用することはできません。サイクロ減速機はこの問題を解決するために図A-3のように(1)内歯車に円弧歯形(2)遊星歯車にエピトロコイド平行曲線を採用し、歯先干渉が無く、また比類の無い同時かみ合数を持つ1枚歯数差の内接式遊星歯車を実現させました。遊星歯車(曲線板)は高速で公転(ω1)しながら同時に低速で自転(ω2)します。サイクロ減速機は図A-4の円弧歯形による等速度内歯車機構を用いて、減速された自転だけを内ピンに取出しています。内ピンはクランク軸(高速軸)中心Osと同心円上に等配置されていますから、これをそのまま低速軸に植込むことにより、容易に高低速軸を同心にすることができます。以上の2つの機構を巧みに組合せ、円弧歯形にローラを装着して図A-5のようにまとめたものがサイクロ減速機です。ローラによって滑り接触が転がり接触に返還されますので、機械的損失は非常に小さく極めて高いギヤ効率が得られます。図A-2 内接式遊星歯車機構図A-3 1枚歯数差遊星歯車機構図A-4 等速度内歯車機構図A-5 サイクロ減速機の構造模型 --1/1-- "