油圧機器総合カタログ2009

油研工業(株)の油圧機器総合カタログ2009
  • "油圧作動油について855データシート油圧作動油について〔その 2 〕粘度、汚染管理データシートData SheetDataSheet■作動油の粘度作動油などの工業用潤滑油の粘度は、絶対粘度を密度で除した動粘度ν〔m2/s〕で表わされる。一般には平方ミリメートル毎秒(mm2/s)が用いられている。粘度の測定にはJIS K 2283「動粘度試験方法」に規定されているように細管による方法が行われ、動粘度(mm2/s)を用いることが規定されている。油圧装置にとって作動油の粘度はきわめて重大な意味を持っている。適正粘度をはずれた状態で運転された装置では、ポンプの吸込み不良、内部漏洩、潤滑不良、バルブの作動不良、回路内発熱などが生じて機器の寿命の短縮や大きな事故につながることになる。粘度の範囲はJIS K 2001「工業用潤滑油−ISO粘度分類」により、ISO VG 2〜3200の範囲で20グレードが定められている。これを油圧に関係ある範囲で図示すると下図のようになる。詳細については862ページの「粘度−温度特性」を参照。■作動油の汚染管理●作動油の清浄度作動油交換にいたる原因には次の三項目がある。爬.作動油自身の劣化、変質爰.作動油中にごみが混入爲.作動油中に水分が混入爬項について表3が目安となるが、実機では爰項と爲項による原因がきわめて多い。作動油中にごみの粒子が混入すると、ポンプの摩耗、バルブの作動不良などが生じる。特に電気・油圧サーボ弁のように、精密なバルブやアクチュエータを用いた装置では、汚染粒子のサイズが数μmから数十μmの非常に微細なものまで悪影響を及ぼすので、顕微鏡を用いて油中のごみ粒子の大きさや数を測定したり、ごみの混入質量などを計測して、汚染度を基準値内に管理する必要がある。清浄度を測定する方法は100 ml の作動油をろ過装置を用いてろ過し、ミリポアフィルタ上に捕集したごみ粒子の数と大きさを測定し、表1のようなクラス分けをする。汚染の進んだ作動油では、ミリポアフィルタ上に捕集したごみの質量で表2のようにクラス分けをする。一般作動油は新油で表1の6級から8級程度の清浄度になっている。(ミリポアフィルタ:1/1000 ミリの細孔をもったフィルタ)★ ★ ★ ★JIS K 2213 2 種(添加タービン油)には、  ISO VG 32, 46, 68の 3 種が規定されている。 粘度範囲(於40℃) 動 粘 度 mm2/s● ISO粘度グレード (ISO VG) VG15VG22 VG32VG46VG68VG100VG150151720253035404550556065707580859095100110135150 サイズ分類 μm00級(NAS 1638) 5〜15 15〜25 25〜50 50〜100 100以上 125 22 4 100 250 44 8 201 500 89 16 312 1,000 178 32 613 2,000 356 63 1124 4,000 712 126 2245 8,000 1,425 253 4586 16,000 2,850 506 90167 32,000 5,700 1,012 180328 64,000 11,400 2,025 360649 128,000 22,800 4,050 72012810 256,000 45,600 8,100 1,44025611 512,000 91,000 16,200 2,88051212 1,024,000 182,400 32,400 5,7601,024NASMILク ラ ス ク ラ ス mg/100 ml1000.021010.051020.101030.31040.51050.71061.01072.01084.0mg/100 mlA1.0以下 B1.0〜2.0C2.0〜3.0D3.0〜4.0E4.0〜5.0F5.0〜7.0G7.0〜10.0H10.0〜15.0I15.0〜25.0NAS:National Aerospace Standard MIL:Military Specifications and Standards表1 計数法によるNAS清浄度基準  100 ml中の粒子個数 表2 質量法クラス分け ISO:International Organization for Standardization --1/1-- "