電磁クラッチブレーキ

- "175電磁クラッチ・ブレーキ電源装置●無接点制御(パワーMOS-FET・パワートランジスタ)●その他の制御電磁クラッチ・ブレーキを無接点制御する大きな目的としては、高頻度運転・高精度運転が出来ることです。また、有接点制御のように、入力信号に対して出力の遅れが発生するのを嫌う場合や、制御接点の摩耗・消耗によるメンテナンスの必要性がなくなったり、制御基板を作ることで小型化になることも大きな特徴になります。こうした多くの利点がある無接点制御ですが、素子の選定には細心の注意が必要です。仮に間違った選定をした場合、要望の電磁クラッチ・ブレーキの特性が出なくなるばかりか、短時間で素子の破損が起こり、周辺機器にも影響を及ぼす場合があります。下記は、一般的な素子の選定目安になります。【選定例 101-12-13 と BE-10 の組合せ制御】条件・使用クラッチ : 101-12-13・定格電圧 : DC 24 V・定格電流 : DC 1.09 A・使用電源装置 : BE-10・内部トランス2次側電圧 : 約 AC 32 V・出力ピーク電圧: AC32V × 1.414 = 45.25 V・使用バリスタ : 82V 品(TNR7V820K)選定素子・定格電圧 : 200 V 以上・定格電流 : 5 A 以上■選定のポイント素子の定格電圧は、素子に加わる一番高い電圧以上が必要です。上の例の場合、電磁クラッチ・ブレーキをON・OFF制御した際に発生するサージ電圧が一番高い値になります。バリスタは、動作特性上において制限電圧にバラツキがあり、最大制限電圧を規定しています。今回の素子条件(82V品)では、135Vになります。素子には、この電圧に対する安全率が必要で、最低限の安全率を1.3とすると、135V × 1.3 =175.5 Vとなります。よって、素子には200V以上の物が最低限必要となります。素子の定格電流は、実際に流れる電流値の3倍以上が必要です。また、選定した素子の種類や通電条件・周囲環境によって素子の発熱量は大きく変わります。最終的には、使用条件で素子の発熱量を評価し、発熱量が素子の仕様値以内であることを実機にてお確かめください。■電流制御(励磁クラッチ・ブレーキ)この制御方式は、電磁クラッチ・ブレーキのトルクコントロールを目的としています。電磁クラッチ・ブレーキは電磁コイルに流れ込む電流によって吸引力を発生し、この吸引力によってトルクを伝えます。よって、トルクをコントロールする為には、電磁コイルに流れる電流値をコントロールすることが必要です。弊社では、電流制御を行うための電源装置を準備しております。お気軽にお問い合わせください。■急速励磁制御電磁クラッチ・ブレーキのアーマチュア吸引時間を速めるために、時定数を小さくした回路です。予め電源電圧を高めに設定し、電磁クラッチ・ブレーキと直列に抵抗入れた回路にします。電磁コイルの方に、定格電圧であるDC24Vが加わるよう、電源電圧と抵抗値を各種条件に合わせて設定します。この制御方法は、抵抗に電磁クラッチ・ブレーキに流れる電流値と同様の電流が流れ、抵抗の容量を大きく設定する必要があり、また抵抗の発熱も考慮しなければなりません。■急速過励磁制御急速励磁回路の中に、大型のコンデンサを追加することで、急速励磁制御よりも更にアーマチュア吸引時間を短縮します。コンデンサによる過励磁電圧が発生しますので、電磁コイルの発熱や、コンデンサへの充電時間を考慮してON・OFF時間の設定をする必要があります。■電圧制御電圧制御の目的には様々あり、それを実現する方法も色々な方法があります。下記にあるものは全て電圧制御のひとつです。!弱励磁制御簡易トルクコントロール(電圧調整による)連結時のショックをやわらげるアーマチュアの釈放を速くする電磁コイルの発熱を抑える!過励磁制御アーマチュア吸引時間を速くするトルクをアップする!急速励磁制御アーマチュア吸引時間を速くする!急速過励磁制御アーマチュア吸引時間を速くするトルクをアップする上記の制御を実現するには、電源電圧をある規定の状態に設定し、任意の制御をする必要があります。!数種類の電源電圧を準備して、切替え制御!ボリュームにより電圧を制御!無接点によるスイッチング制御!抵抗を直列に入れて分圧する電圧制御クラッチ信号ブレーキ信号DC24V+CBC1 B1 B2C2※時定数とは...電磁クラッチ・ブレーキは誘導負荷であるため、直流電圧を印加すると、流れ込む電流値は徐々に上がっていく特性を示します。この特性は、電磁クラッチ・ブレーキの種類やサイズにより、決まった値を持っており、大型の物ほど電流の動きは鈍くなります。 --1/1-- "